得意のだまし討ちで柳燕(りゅう・えん)は始末したものの、小桂子(しょうけいし)――韋小宝(い・しょうほう)に皇太后の魔手が伸びるのは時間の問題だった。太監姿の方怡(ほう・い)と沐剣 […]
小桂子(しょうけいし)の話を聞いてもなお、楊溢之(よう・いつし)は呉応熊(ご・おうゆう)誘拐の黒幕は皇帝だと考えていた。事件をでっちあげて自ら解決し、平西王府をひれ伏させようという […]
清朝を滅ぼした後、誰が皇帝の座に就くのが相応しいのか。天地会と沐王府は信念を異にしていた。対立を避けたい陳近南(ちん・きんなん)は、平西王・呉三桂(ご・さんけい)を討った者の意見に […]
獄に繋がれた3人の刺客は、カマをかける韋小宝(い・しょうほう)の言葉に動揺を隠せなかった。中でも一番歳の若い男は、小宝が方怡(ほう・い)を女房と呼ぶ度に顔色を変えて身をよじり、怒気 […]
康熙(こうき)帝に促された通り、小桂子(しょうけいし)――韋小宝(い・しょうほう)は靖安行館に呉応熊(ご・おうゆう)を訪ねると、刺客の持ち物だと言って平西王府の名の入った刀や下着を […]
「小桂子(しょうけいし)は口がうまい。罠にはまるな。必ず殺せ」――そう言って瑞棟(ずい・とう)を送り出した皇太后。その後で、彼が"四十二章経"を持ったままである […]
神照(しんしょう)上人の隠した"四十二章経"をくすねて、にんまりする韋小宝(い・しょうほう)。続いて彼の前にやってきたのは、宮女らしい娘を抱えていずこかへと急ぐ […]
銭老本(せん・ろうほん)が運んできたのはミカンだけではなかった。行李の蓋を開けてみると、猿ぐつわを噛まされた沐剣屏(もく・けんぺい)が、たくさんのミカンに埋もれて身を縮めている。天 […]
「ご恩は来世でお返しします」と言い捨てて、天地会のアジトからおいとましようと企てた韋小宝(い・しょうほう)だったが、銭老本(せん・ろうほん)に肩を掴まれ、くるり――あえなく陳近南( […]
オーバイが猛り狂っているという知らせを聞いた韋小宝(い・しょうほう)は、気がかりな様子の康(こう)親王やトルンをその場に押し留め、1人で氷室へと向かった。オーバイは、食事に毒が盛ら […]