騎馬隊の列の前に飛び出したカク沁(しん)――間一髪のところで彼女を救ったのはシレムンだった。カク沁の兄で高名な儒学者・カク経(けい)は今、牢の中だという。頼る者のいない彼女は、兄を […]
チャブイが無事出産したとの知らせを受けて、彼女の両親がケイ州王府へ。2人は孫の誕生を喜ぶが、モンケの妻・イェスタイが、フビライは側室を迎えるべきだと水を差し、チャブイの母と口論にな […]
「私もグユク王子を大ハンに推挙します」。フビライの言葉に、誰もが息を飲んだ。賛辞や罵声、そして彼の真意を問う声が巻き起こり、騒然とする会議場。しかし、トルイ家の主たるベキまでもがグ […]
ガイミシュは監国からの指示だと偽り、フチに堕胎薬を調合させた。しかし、本当の狙いは我が子――グユクとの子だった。意を決して薬を飲もうとした時、グユクが。問い質され、苦しい胸の内をぶ […]
監国である母からも、そして妻・ガイミシュからも諌められ、グユクはやり場のない怒りをくすぶらせていた。なおも「親子で反目しないで」と言い立てるガイミシュ。グユクにできることといえば、 […]
無邪気に相撲を取る2人の孫の姿に、目を細めるトレゲネ。しかし、抜け目のない彼女は、どちらが大成するかを見極めていた。勝つことに執着し、知恵を働かせるハイドゥを有望と見たトレゲネは、 […]
1241年、トレゲネはあらゆる手を尽くし、政権を奪い取った。オゴデイ家との権力闘争を避けることができ、ベキをはじめトルイ家の兄弟たちは、ひと時の平穏にほっと胸をなでおろす。しかし、 […]
オゴデイ、死す。大ハン崩御の報は、密偵を通じてグユクたちのもとにもたらされた。皇后・トレゲネ討伐のために行軍中であったグユクは、すぐさま帰営を決断。トレゲネの動きを警戒したフビライ […]
フビライのもとに皇后からの書状が。それを一読するやフビライは顔色を変え、モンケの軍営へと駆けつける。彼がにらんだ通り、モンケは彼らの母・ベキをグユクに嫁がせようとしているトレゲネの […]
漢人が多く住む土地に適した政策を推し進めるフビライの方針が功を奏し、ケイ州の統治は順調に進んでいた。しかし皇后・トレゲネは、モンゴルの伝統とは異なるやり方を批判。フビライも一歩も引 […]