視察から戻った順治(じゅんち)帝が挨拶に出向くと、皇太后はいつになく上機嫌な様子で迎えた。微笑む彼女が蘇納(スナ)に持ってこさせた物――それは黄旗の印章だった。これを手にすることは […]
思いがけぬ懐妊。喜ぶべきこの出来事も、董小宛(とう・しょうえん)にとっては、災いの種でしかなかった。もし彼女が子どもを産むようなことになれば、順治(じゅんち)帝の立場は極めて危うく […]
毒本事件を独自に捜査してきた董小宛(とう・しょうえん)は、柳二雲(りゅう・じうん)が下手人ではないかと目星を付ける。しかし、劉光才(りゅう・こうさい)の信頼厚い彼を犯人扱いしたとあ […]
董小宛(とう・しょうえん)を殺したいほど憎んでいるのは誰か。英格爾(インガル)が皇貴妃・霊珠(リンチュウ)と静(せい)妃・索爾娜(ソルナ)の名前を挙げると、小宛自身もその考えに同意 […]
毒本事件の取り調べから解放された董小宛(とう・しょうえん)は、皇太后に申し出たとおり、廃妃とするよう順治(じゅんち)帝に直訴した。しかし、どんな理由を持ち出そうとも、すべては皇太后 […]
劉光才(りゅう・こうさい)らによる董小宛(とう・しょうえん)への尋問は、すでに6日を数えていた。不眠不休の尋問を強いられ極限まで追い詰められながらも、頑として毒本事件の犯人であると […]
第三皇子・玄燁(げんよう)の誕生日を祝う宴が開かれた。董小宛(とう・しょうえん)の贈り物は玄燁が希望したとおり、唐詩を書写した本である。その文字が美しいと称えられたうえ得意の歌を披 […]
三法撤廃を目論む順治(じゅんち)帝と、議政王大臣の対立は深刻だった。妥協点を見出すべく大臣との話し合いに臨んだ皇太后は、三法を廃止するのではなく、王公たちの特権を一部制限してはどう […]
門番を斬って逃亡した奴婢をかくまった罪で囚われの身となった洪承疇(こう・しょうちゅう)の処遇を決めるための朝議が始まった。そもそも、奴婢が反乱を起こすところまで追い詰めた簡(かん) […]
簡(かん)親王の領地から奴婢が脱走、門番が殺されるという事件が。一報を聞いた簡親王は激怒、奴婢を1人残らず斬り捨てよと命じた。ほとんどの奴婢は無残にも殺されてしまったが、生き延びた […]